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Date - 2019.04.21

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触診について思うところ。治療家の僕が診ているもの。

治療において簡単なようで一番腕の差が出るのが、
”触診”だと個人的に思っています。
触診は手技療法を行う治療家からすればそのまま治療へと繋がって行くもの。

そんな触診について、僕が診ているもの、
一体どうやって触り分けているのか、
何を意識して触っているのかについて説明してみようと思います。

 

文字から伝わることには限りがあるとは思いますが、
何を意識して触るかのアイデアを得るだけで普段の治療にすぐにでも活かせるんじゃないかと思いますので、治療家さんは是非参考にしてみてください。

 

 

触診は触れる前から始まっている

学生さんや治療家になりたての人がやりがちなのが、
いきなり身体に触れるということ。

触診と言うくらいだから触らなければ始まらないと思ってしまうかもしれませんが、
触診というのは身体に直接触れる前から始まっています。

 

人の身体に触れる前にまずは、全体を眺めてどこが悪そうなのかの目星をつけます。

これは慣れないうちはどこが悪そうなのか目星をつけることが難しいかもしれませんが、
繰り返して行かなければ分からないものなので、
分からないなりにもとりあえず全体を見ることを習慣付けておくと良いでしょう。

木を見て森を見ずという言葉があるように、
人の身体も患部を見るだけではなく、全体を診なければなりません。

 

患部以外に症状の原因があることがとても多いので、
いきなり患部へ触れるのではなく、
身体全体を見る必要があるんですね。

全体を見た後にするのは、
”手をかざすこと”

まだ、身体には触れません。
直接触れる前に手をかざすことで感じられることがあります。

 

何を感じているかと言うと
体温であったり、人の身体から発せられているもの。
分かる人には、手をかざすとなんとなくぞわぞわするところだったり、
嫌な感じがするところなんていうのを感じれたりします。

実際にこれがなんなのかを化学的にい言えば、
身体から発せられている電磁波だったり、
放射熱だったりするのかなと思います。

実際に治療家さんが何を感じてるのかは個人差があるので厳密になんなのか言及するのは、
今回は控えておきますね。

 

慣れるまではちょっとした違いが分からず、
手をかざすだけでは何も分からないという人が少なくありません。

でも、そういった微妙な違いを感じられるようにならないと治療家としてのレベルアップは難しいでしょう。

治療家として生きていくと決めたのなら、
一般の人が感じられないものまで敏感に感じられるようになる努力が必要です。

 

まずはやってみることから始めて行きましょう。
僕も初めから全てを感じられたわけでもないですし、
初めから見ただけでどこが悪いのか目星をつけられたわけでもありません。

むしろ、最初は何もわかりませんでした。

何年も見ることに、触ることに集中し、
自分の感覚を磨いてきたから今の触診の技術が身に付きました。

これは一朝一夕で身につくものではないので、
日々繰り返し、何千回、何万回と人の身体に触れていくしかないと思います。

それも、ただ触れるのではなく、
感じようとして触れることが大切です。

また、触る時の微妙な差をどれだけ意識できるかも大切だと思います。
では、実際に身体に触れる時に僕が何を意識して触り分けているのか紹介して行きます。

 

 

身体のレイヤー(層)を意識する

人の身体を外側から考えた時、一番外側にあるのは、皮膚です。

では、その皮膚の下にあるものはなんでしょうか?
人間の身体に触れる時、一体何層に分けて触れるイメージを持つべきなのでしょうか?

人の身体に触れ始めた人が最初になんとなく意識するのは、
皮膚、筋肉、骨の3層くらいかと思います。

意識できる人は、皮膚、筋膜、筋肉、骨と4層で最初から触り分けることが出来るのかなと思います。

 

では僕は何層で身体を触り分けているのか。

腕や脚で言えば、
皮膚、結合組織、脂肪、浅筋膜、深筋膜、靭帯、骨膜、骨
約8層
筋肉が重なっているところではさらに層が増えます。

胸郭部で言うと、
皮膚、結合組織、脂肪、浅筋膜、深筋膜、筋肉、靭帯、骨膜、骨、胸膜、心膜
約11層

腹部で言うと、
皮膚、結合組織、脂肪、浅筋膜、深筋膜、筋肉、腹膜、内臓
約8層

という感じです。

 

厳密に1層1層を毎回触り分けているわけではないですが、
この層を意識して人の身体を触り分けるようにしています。

身体のどの層に問題があるかこの触診で触り分け、
実際に鍼や手技でアプローチして行きます。

 

アプローチの仕方は症状によりけりなので今回の記事では省略しておきます。

 

 

触り方を考える

触り分ける上で層を意識することが大切なのですが、
それと同じくらいにどうやって触るかがとても大切です。

いくら層を意識出来ても、肝心の触り方がうまく行かなければ、
触り分けることは出来ません。

どんな触り方をするにしても大切なのは、
触診をする手の力を抜くこと

 

手指に力が入ってしまっていると上手く感じることが出来ません。
触診の時にいかに力を抜けるかが大切です。

深い層を触り分ける時は、手や腕に力を入れるのではなく、
自分の体重を乗せることで圧を深くし深層を触って行きます。

 

そんな触り方で僕が意識しているのは、
圧の方向軸の方向手の平から感じる抵抗感です。

圧の方向と軸の方向は自分でコントロールするもので、
手の平から感じる抵抗感は、相手の反応を見ることになるので自分でコントロールするものではありません。

 

簡単にいうと
手の平のセンサーで感じながら、

体幹を使って圧と軸の方向をコントロールして触診をする。という感じです。

 

圧の強弱でどの層を触るかコントロールして、
軸の方向で各層のどこを感じるかをコントロールする。
そして、手の平から感じる抵抗感で触っている部分の状態を把握する。
という感じです。

このイメージで人の身体を触れるようになると触診だけで本当に多くのことがわかるようになります。

 

触って感じるのは、それぞれの層にある硬結、緩み、液体の流れ、組織の硬さ・緩さ、動きやすさ・動きにくさ、動きやすい方向・動きにくい方向、炎症の具合や、腫れ具合など異常状態なんかも感じることが出来る様になります。

触っていて明らかに普通の場合と違うことがあるのですが、
その場合は脳の問題であったり、寄生虫や細菌感染が原因だったり、ガンなどの腫瘍の問題からくる場合もあるので、多くの人を触ってその違いに気づけれるようになると、
触診から自分が治療していい場合と病院に送るべき場合とを見分けることが出来るようになります。

触診って奥が深いんです。
そして、技術が身についてくると機械がなくても多くのことがわかるようになります。

脈診や腹診も広義で触診の一部だと言えるので、
触診技術が上がれば脈診や腹診の精度も上がっていくでしょう。

 

 

初めのうちに大切なのは、とにかく人に触ることと、何を触っているのか、どの層を触っているのかを意識して触診をすることです。

どの程度意識して人の身体を触っていけるか次第で、
治療家としての成長スピードは大きく変わっていくと思います。

 

 

触診はすべての手技療法の基礎

どんな物事にも基礎があります。
基礎がしっかりとしていなければ、立派な家は建ちません。
それと同じで、治療家も基礎がしっかりとしていなければ大成しないでしょう。

治療家の基礎は、医学の知識と診察の腕

基礎があってこその治療技術です。

 

たとえ様々な手技を扱えたとしても
基礎がしっかりとしていなければ、
どの治療法を選択すれば良いか判断が出来ませんし、
判断がつかなければ正しい治療法を選択することは難しいでしょう。

 

なまじ治療の腕がある人が一番危険です
正しい診察技術を持っていなければ、間違った判断をしてしまうかもしれません。
間違った診察をしてしまえば症状を悪化させてしまうことにもなり兼ねません

腕がある人こそ、正しい診察が出来るようにならねばなりません。
正しい診察をするのに大切なのが触診です

触診の精度が上がれば上がるほど、
治療の精度も上がっていくことでしょう。

 

治せる治療家というのは、
他の人が出来ない治療の技術を持っているのではなく、
逆に治療自体は誰にでも出来るシンプルなことをやっている場合が多いです。

なぜ、それで他人に治せない症状を改善できるのかと言うと、
やはり診察技術、触診技術の高さがあるように思います。

 

また、たとえ触診で触り分けることが出来ても
自分が何を触っているかが分からなければ意味がありません

だからこそ医学の知識が大切になって来るんです。

しっかりとした医学の知識があることで、
触診の技術がさらに活きてきます。

 

ただ自分の感覚に集中するだけではなく、
基礎となる知識も同時に身につけていかないといけません。

 

国家資格を持たない治療家に足りないのは医学の知識の部分
ほとんどの場合、絶対的な医学の知識量が国家資格を持つ治療家に比べて低いです。

それでも治せたりするのは、感覚の部分で分かることもあるから。
しかし、それは経験を積み重ねた治療家だからなんとかなっているだけで、
腕の無い無免許の治療家の施術のせいで怪我をしている患者さんがいるのも事実です。

人の身体に触れるということ、
治療家として人へ施術することは大きな責任が付きまといます。

 

ただ治ればいいというのではなく、
リスクがあるということをしっかりと認識し、
治療家を志す人は、最低限、学校へ行って必要最低限の知識を身につけ、
ちゃんと医療従事者としての国家資格を取得してから治療行為を行って欲しいです。

それが、患者さんを治療として触れる人の必要最低限のマナーなんじゃないかと個人的に思います。
腕があれば良いなんてのは、結局は治療家のエゴですよ。

 

人に触れるということ、
医療類似行為をするのであれば、
それに見合った医療資格を取得するべきだと思います。

本当に患者さんのことを考えるならば、
リスクを知らずに、医学を学ばずに、
患者さんを治療するという選択肢は取り得ないと思います。

腕のある無免許治療家さんは、今の仕事を続けながらでも良いから、
夜間学校に通うでも良いからちゃんと免許を取りに行って欲しいと思います。

 

法律で取り締まられていないから大丈夫とか、
法律に反してないから大丈夫なんて言い訳をせず、
正々堂々と自分の腕を生かせるように医療資格を取ってください。

そうすることでより自分の腕が活きてくると思いますよ。

この記事に書いた触診の見方、やり方は、努力をすれば誰でも出来るようになれるものです。
だけど、それは正しい医学の知識が伴って初めて活きてくるものです。

正しい医学の知識がない人は学びに行ってください。
すでに国家資格を持っている治療家さんは、ここに書いてあることを意識して普段の治療に活かしてみてください。

触診でみれるものが変わると
今までと同じ治療でも精度が変わって来ますし、
治療効果も変わって来ます。

 

患者さんがなかなか治らないという治療家さんは新しい治療法を学びにいく前に、
触診やその他の診察技術の向上を頑張ってみるのが良いと思います。
そうするとたとえ新しい治療法を学ばなくても治せる症状の数や患者さんの範囲が広がって行きますよ。

実際のところ、触診は直接指導してもらう方が理解度が深くなるので、
自分で試行錯誤をするだけでなく高い技術を持っている人の元へ学びにいけると良いんですけどね。


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