Date - 2018.05.18
Category -
豪華客船での鍼灸師の仕事の流れ 〜コントラクト編〜
客船での仕事は大体どの船でもやる事は同じです。
小さな違いはあれど日々の流れはあまり変わりません。
しかし、7ヵ月も同じ船に乗っていれば、
航路が変わり、スパのメンバーが変わり、スパ以外のクルーの顔触れも大きく変わります。
船に乗った時と降りる時ではクルーが9割方変わっていて、同じ船でも違う場所に居るような感覚に陥ります。
個人がこなす仕事は変わりませんが、
契約が進む中で仕事に影響を与える環境は絶えず変わります。
今回の記事では契約が進むにつれてどう行った事が鍼灸師の仕事に影響を与えるのか、
1コントラクトの中でどういった変化が起こりうるのかについて書いて行きます。
乗船から最初の2ヵ月間
この時期はまずスパの同僚との仲を深めて行く時期です。特にマネージャーの信頼を得られるかどうかで仕事のしやすさが大きく変わります。また、船の乗客の傾向を掴むためさまざまなチャレンジを行う期間でもあり、仕事の結果に波が出やすい時期でもあります。
ここで船の傾向を掴み、スパの同僚の信用を得ることが出来れば後々の仕事がしやすくなります。
また、スパ以外のデパートメントのマネージャーや
特にクルーズディレクター、
HGM(ホテルジェネラルマネージャー)とCSD(クルーズセールスディレクター)と
仲良くなり顔を覚えてもらうと船での仕事のしやすさが大きく変わります。
キャプテンやスタッフキャプテン(船でキャプテンに次ぐポジション)とも仲良くなれればベストと言えます。
仕事のプロモーションで言えばクルーズディレクターとの関係性が1番大きな影響を与えます。
乗船後3-5ヵ月
この時期は比較的安定期言えます。
同じ航路を繰り返す船が多い為、
日々のルーティーンが作りやすく、
何が起きるか予測しやすい為、
始めの2ヵ月で基盤を作れていれば安定期した業績を出す事が出来ると思います。
しかし、時にこのタイミングでスパマネージャーが変わったり、
仲が良い同僚が契約を終え船を降りる事もあるのでそうするとまたスパの人間関係の形成をしなければならない事もあります。
船では大きく分けて年に2度大量にクルーメンバーが変わる時期があります。
そのタイミングがこの時期に重なるとHGMやCSDが変わり、
船での人間関係をまた1から作り直さなければなりません。
しかし、実際の所スパ以外の人間関係はそれほど大きく鍼灸師の仕事には関係しませんのでスパ内の地位を築き上げておけば仕事は安定するでしょう。
乗船後6-7カ月、下船まで
この時期はモチベーションを保つのが難しくなる時期です。
仕事が忙しい船だと肉体的な疲れがピークに達します。
忙しくない船だと考える時間がありすぎる為、
精神的な疲れがピークに達する時期となります。
ここでどれだけ踏ん張れるかが大切なのですが、
ほとんどの鍼灸師はここでバケーションに心が行ってしまい、
仕事へのモチベーションが低下し業績が下がります。
また、6ヵ月船に乗っていればおそらくその間に船の航路が変わって居る為、
最初の時とは客層や止まる港が変わっている事でしょう。
その変化に対応出来ず仕事が上手く行かなくなる場合もあれば逆に好転して忙しくなる事もあります。
こればかりはどの船に乗るかといつ船に乗るかが関係して来ますので、
最初のコントラクトでは自分でコントロールする事が出来ません。
2度目の契約に行く事考えている人は大体この時期か、
もう少し早い段階でボスに次の船の契約の話を始めます。
豪華客船は、完全ビジネスの環境なのでこの時期の売り上げによって次回どんな船に乗れるかが変わって来ます。
良い環境の船に乗るには、ボスに認められる必要がありますので5-7ヵ月の時期は大変ですが頑張りどころでもあります。
おわりに
船の環境は乗る船によって、客層によって、クルーズラインによって大きく変わります。
航路によって忙しい船と暇な船の差が出ます。
どの船に乗るかによってある程度出せる売り上げのポテンシャルが左右されます。
もちろんどんな船でもセールストークとビジネススキルがあれば売り上げを出す事が出来ます。
しかし、環境を整える事と良い環境を得ることは自分のスキルを磨く事と同様に大切です。
ビジネス一辺倒になり治療家としての本分である患者さまを助けること、
「医は仁術なり」という思想を忘れてしまった鍼灸師が豪華客船には居る事も確かです。
完全ビジネスの環境ではありますが、
僕は売り上げが全てだと思っていませんし、むしろ売り上げはあまり気にしていません。
それよりも豪華客船という環境で自分が何をし何を感じるかが大切だと考えています。
ビジネスを学びつつ、鍼灸師として医療者としての心を忘れずに豪華客船で活躍する日本人鍼灸師が増えてくれたらなと思っています。
前回記事 クルーズ編と合わせて大体の船での鍼師の仕事の流れが分かったかと思います。
今後船に乗る人はその流れの中で自分ならどうして行くのかをあらかじめ考えて船に乗ると後々楽でしょう。
1人でも多くの日本人鍼灸師が豪華客船という部隊にチャレンジをして成功する事を願っています。
MITS
スポンサーリンク
- Recommend
- Category
-
- About me (19)
- Acupuncture (19)
- Column (38)
- Cruise (40)
- Study (14)
- Acupuncture (7)
- Anatomy (5)
- Brain (1)
- Language (3)
- Travel (11)