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Date - 2018.04.27

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身体に変化が起きているときは必ず物理的な変化が起きている。

僕が治療をする上で前提として仮定として立てていること。
今日のタイトルでもある「身体に変化が起きているときは必ず物理的な変化が起きている。」ということ。

僕は鍼灸師であり、東洋医学をもってして日々治療をしている。
東洋医学の理論、概念の中には物理的な証明が出来ていないもの論理的な説明が出来ないものが多くある。
これが西洋医学のドクターや東洋医学を学んでいない人々に鍼灸がなかなか理解されず敬遠されている大きな理由なのではないかと思う。

だからこそこれから先東洋医学に携わる者がやらなくては行けないことは、
東洋医学の物理的証明だと僕は考えている。
今まではミクロやマクロの世界過ぎて見る事が出来なかったものがこれからはIT技術の発展で見えるようになってくる。

以前このブログで紹介した“人体最大の新しい器官”の発見はまさに技術の進歩の賜物である。

新しい臓器が見つかった?最新医学と東洋医学から見る人間の身体。

 

 

今後の東洋医学の流れ

今後はおそらく今まで東洋医学で概念として捉えられていたものがどんどん物理的に証明されて行くだろう。
むしろそれを自分がやろうと考えている。

ここで大事なのは新しく発見されたものが東洋医学ではなんなのかを見極め、西洋医学との擦り合わせることだ。
2018年の3月に新しい器官として提唱された“間質”が東洋医学ではなんなのかを鍼灸師達はしっかりと議論し、発信・教育して行かなければならない。それは今後の教育者や鍼灸組織の課題。

臨床現場の課題はおそらく今後も大きくは変わらないだろう。
僕たち臨床家の最大の課題はいかに患者さんを治すかである。
現場は結果が全てである。

どれだけ理論的に完璧な治療法があったとしても効果が出なければ臨床家にとってはなんの価値もない。
現場は治してなんぼである。

しかし、日本中、世界中を見渡してみると本当に治せる治療家はそう多くない。
体感ではむしろほんの一握りの数しか居ないように思う。

自分も鍼灸師になりたての頃はしっかり治せなかったから、
例え今現在は治せなくても半年後、1年後に治せるようになっていればいいと思っている。

師匠の元について5年10年と修行を積む時代は終わった。
今は例え臨床現場に出て2年3年という鍼灸師でもしっかり効果が出せるようになれる治療法や理論が確立しつつあり、インターネットの発達によりそれを学ぶ機会を見つけることが難しくなくなって来ている。

 

学ぶべきことは?

どんな治療法を学んでも良い。
大事なのはどれだけ人体について理解が出来ているかである。

「身体に変化が起きているときは必ず物理的な変化が起きている。」という前提に立つならば、
問題を抱えて治療院や病院に来た患者さんは健康な時に比べ物理的な変性を抱えている事になる。
ここで勘違いして欲しくないのは物理的な変性とは必ずしも組織の変性が起きているということではないという事。

姿勢が歪んでいる事や筋肉の拘縮、体内の水分循環、脳内の神経回路の作動具合などレントゲンやMRIなどでは写らないことも含む物理的な変性のことをここでは示している。

実際今までたくさんの患者さんを治療して来て左右の筋肉の硬さの違いにより起こる姿勢の歪みが原因となり、
身体に痛みを訴える方が多い。

そういう方の場合、
たとえ症状が数年来のものでも身体の歪みを取ってあげればその場で痛みが消え去り可動域制限が無くなる事も多い。

方法が鍼なのか、マッサージなのか、物療なのかの違いはあれど結局アプローチする場所、検査をする場所に大きな違いはない。

東洋医学では体内の状態を判断する際に脈やお腹、舌を診る。
それ以外に肌の色や張り、姿勢や歩き方、匂い、しぐさや話し方など患者さんの状態や性格を表しているものはたくさんある。

僕たち治療家は様々な人体の情報を読み取っている。
言い換えれば物理的な変化を読み取っているわけである。
その変化はとても小さなもので経験が無いとわからないものが多いが、

確かな違いが身体に起こっている。

中には気が見えるという鍼灸師の方もいるが、僕には見えない。
僕が見ているのは確かな身体の変化である。

時に身体は目に見えない変性を抱えている。
脳内で実際何が起きているのか、
腸内で実際何が起きているのかを機械なしで確認することは出来ない。

だから以前までは人体ではわからない事が多く、予測することしか出来なかった。
その経験則から出来たのが東洋医学であり、鍼灸術である。

今後物理的な証明が進んで行く上で必ず間違っていた事が見つかる。

その時に「東洋医学はこういう考え方だから」と主張を貫き通そうとしていては古典鍼灸に未来はない。
東洋と西洋両医学の統合にはお互いの歩み寄りが不可欠である。

治療を行なって行く上で1番大切なのは根本原因を見つけることである。

これは鍼灸師の方々は重々承知であると思うが、
おそらく多くの鍼灸師は根本原因までたどり着けていない。

根本は腎虚だから、根本は肝火上炎だからとかそれっぽい事を行っているけど、

じゃあ実際腎虚って身体の中で物理的にどういう変化が起きてるの?
肝火上炎って物理的に身体にどんな変化が起きているの?という事を説明出来ていない。

何故それが起きたのかまで考えると食事指導や運動指導、
考え方の教育まで何なら瞑想の仕方まで教えてやっと根本原因に対処していると言えるのではないかと僕は考えている。

臨床では結果がすべてだというのは間違ってはいないが、
それだけではいつまで経っても鍼灸に東洋医学に進化は訪れない。
しっかりとした理論と物理的な証明を伴った時初めて鍼灸は解明され、
誰でも効果を出す事が出来る再現性を生み出す事が出来るだろう。

その時がやって来なければどれだけ時間が経とうが議論が交わされようが東洋・西洋両医学の統合はやって来ない。

西洋医学だけでは救えない患者さんがいる。
東洋医学だけでは救えない患者さんがいる。
両医学の統合の先に全ての患者さんを救える道が見えてくるのでは無いかと僕は思う。
その救済は肉体的な救済だけではなく、精神的な救済も含まれている事だろう。

そんな空想とも言える未来の医療の形へたどり着く為には、
東洋医学の物理的な証明は避けては通れない道である。

今までの世の中には素晴らしい鍼灸師の方々が生きて来たし、
彼ら彼女らは様々な治療技術・診察技術を作り上げて来た。

これから必要なのはそれらを証明して行くことであり、
それが今この時代を生きる鍼灸師の1つの役目であると僕は考えている。

まだ仮説を考えている段階でこれから実験・検証を行なって行かなければならない事が山ほどあるが、
一歩一歩自分が信じる道を歩んで行こうと思う。

そして、僕と同じような考え方を持つ人、僕の考えに賛同して支援してくれる人が増えれば東洋医学の物理的証明はそう遠くない内に起きるのではないかと僕は思っている。

改めて“鍼灸の未来は明るい”と声を大にして言っておきたい。
鍼灸師諸君、僕らの未来には大きな可能性が待っているよ!

MITS

 

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