Date - 2018.08.16
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ミッツが豪華客船に乗るまでの話1 −専門学校編-
豪華客船で鍼灸師として働き始めてから約5年
これまでさまざまな経験をして来た。
船の生活についてや実際に豪華客船で働くにはどうすれば良いのか、
豪華客船での鍼灸師の仕事について記事を書いて来たけど、
僕が船で働くまでどんな生活をしていたのか、
どういう経緯で豪華客船という職場にたどり着いたのかほとんど書いて来なかったので、
今回の記事では、僕が船上鍼灸師になるまでの話を書いていこうと思う。
まずは、鍼灸師・あマ指師の資格を取った専門学校入学前から話を進めることにしよう。
高校生の頃のみっつ
高校までのみっつは、どこにでもいる至って普通の高校生だった。
県内で中の上の進学校に通い、部活に明け暮れ、勉強は試験の前だけにして、成績は中の中といった感じである。
中学時代に家庭崩壊が起こり両親が離婚し、高校生の時は、父と2人暮らしになっていたが、とあるきっかけにより家の中で会話が皆無になっていた時期があり、まったくもって冷めた環境で高校生活を送っていた。(暗くなり過ぎてもあれなので、事実を淡々と書いて行く)
正直な話、サッカー部に入っていなければストレスのはけ口がなく、一体どんなことになっていたかわからないほどの状況ではあった。
祖母から、「あんたはよくグレなかったね。偉い、偉いわ!」と数年経ってから言われたことを自分でも否定出来ないほどの家庭環境ではあった。
(心の中で、確かに俺、ようグレずに済んだよな。と思ったほどである)
客観的に考えてみると、きっと、根が真面目過ぎたからだろうというところと、グレる勇気が無かっただけだという理由で今は落ち着いている。
高校時代のストレスのはけ口はサッカーで、心の支えは、実家で飼っていた犬だった。
今ではもう亡くなってしまったけど、とっても可愛い美犬なビーグルで、その犬が居なければ自殺をしていてもおかしくないなと思えるほど自分の心を救ってくれた存在である。
サッカーしかやることがなかった僕だったが、
そのサッカーでも怪我を繰り返し、悔し涙を流す日々が続いた。
中学に上がってから高校を卒業するまでは自分が嫌いでしょうがなかった。
そして、実家に居ることが嫌だった。
高校を卒業したら絶対家を出ると決めていた。
幸いなことにサッカーでの怪我が多かった影響で、早くのうち(高校1年の終わり頃)から、スポーツトレーナーを目指すことを決めていた。
いろいろな情報をネットで集め、高校2年の秋には鍼灸の専門学校に進学をすることを決めた。その頃は父と会話する機会が増えていたので考えを打ち明けた。
相談することもなく事後報告である。
「鍼灸の学校に行こうと思ってる」ではなく、「鍼灸の学校に行くから」と伝えた。
家庭崩壊を起こしたと書きはしたが、僕の両親は出来た親で、子供がやりたいと言ったことに一切反対しない。離婚をして、両親は互いに話すことはないが、僕は今でも父母両方と良好な関係を築けている。そして、両親ともに今でも互いをリスペクトする心を持っているように感じる。(直接聞いたことはないので実際のところはわからないが。)
そんな親だから、鍼灸の学校に行くことに反対することは一切なかった。
人生を変えるために選んだ専門学校
高校生までは自分が嫌いだった。そんな自分を変えたくて、実家のある名古屋から出たくて、小田原にあった神奈川衛生学園専門学校を進学先に選んだ。
全国の鍼灸の学校のうち、鍼師、灸師、あマ指師、アスレティックトレーナーの資格を3年間ですべて取れる数少ない学校で、都会が苦手な僕は初めから東京・大阪は除外していたので、ここに行くと決めるまで時間はかからなかった。
高校3年の夏に学校見学に父と行き、小田原という街の雰囲気を気に入ったこともあり、入学すると決めた。試験の科目数が少なく、推薦だと小論文試験がないのもあり、高校に推薦を出してもらって推薦入試で入学した。
神奈川衛生学園専門学校は、全国でも学費がトップレベルに高い。
学費は父が捻出してくれたが、生活費や家賃など一人暮らしするのに必要な費用は自分でまかなわなければいけなかった。
奨学金を借り、バイトの日々に明け暮れた。
入学してからの始めの1ヶ月はみな緊張感もあり、真面目に授業を受けている生徒がほとんどだったが、0時過ぎまでバイトをし、そこから明け方までバイト仲間と遊ぶ日々を繰り返していた僕は授業中爆睡しまくっていた。
まったくもってふざけた生徒である。
高校時代からの反動というわけではないが、ただ真面目に生きる生活ではなく、やりたいことを好きにする生活を送ることを心に決めていたので、
悪びれることもなく授業中寝まくっていた。
ただ、テストではそこそこの点数が取れていたので呼び出しをくらったり、先生から注意を受けることはなかった。(その辺はだいぶ寛容な学校だったので)
人生を変えるために気をつけていたことがひとつある。
それはなりたい自分を演じること。
日々の行動であったり、言動であったり。
知り合いが1人もいない環境だから、高校生までの自分を知ってる人はひとりもいない。
人生をリセットする、というわけではないけど、新しい環境に来たのでやりたいことは全部やることにした。
専門学校時代は本当に好き勝手やっていた。
サッカー好きが同じ学年に集まっていたので、フットサルサークルを立ち上げたし、
徹夜で麻雀をやることもあったし、パチンコ・スロットにハマっていた時期もある。
髪型は酷いもので、茶髪、金髪、赤髪と染め、モヒカン、ハートの剃り込み、スキンヘッドとやりたい放題やっていた。
(まあ、ドレッドヘアーもOKで、校長先生がその髪型カッコいいねと赤髪モヒカンを褒めるくらい髪の毛には寛容な学校だったし、それが許容されるキャラで通っていたし、周りへのネタとしての受けも良かったので髪型については何の問題もなかったが。)
全くもって模範的な生徒ではなかった。
それでも気の置けない仲間や先生方に恵まれ、楽しい学生生活を送ることが出来た。
勉強はほどほどで、2年に上がるまでは一人暮らしの学生生活を思いっきり楽しんでいた。
学生時代はさまざまなアルバイトをした。
お好み焼き屋、居酒屋、コンビニ、パチンコ屋と基本的に接客業をずっとやっていた。
そのおかげで人見知りが治り、誰とでも話せる技術が身に付いたと思う。
転機は、専門学校2年の終わり
学校がオファーしていた、カリフォルニアでの海外研修に行ったことだった。5泊7日という短い期間だったが、アメリカに魅了された。
卒業したらアメリカに行こうと決めた。
そこからは、今までの体たらくが嘘かのように勉強に励んだ。
相変わらず週4で学校の授業終わりにアルバイトをしていたが、
縁あって、社会人アメリカンフットボールチーム・Xリーグ1部の明治安田パイレーツで学生トレーナーを始めた。
家のあった小田原から練習場のある八王子の山奥まで毎週末バイクで片道2時間かけて通った。学校のトレーナー実習で陸上の大会などには行ったことがあったけど、そこで初めてトレーナーの仕事を経験した。
始めは自分の知識のなさに惨めさを感じ、
今までの自分の甘さをこれでもかというほど思い知らされた。
そこで腐らず食らいついて行った。
幸いなことに経験のあるトレーナーがチームに多くおり、同年齢のトレーナーもいたこともありチームに上手く溶け込んで行くことが出来た。
のちの話にはなるけど、日本で働いていた最後の年は、このチームでアシスタントヘッドトレーナーというポジションを頂き、トレーナーチームのNo2の立場を経験することが出来た。
当時の写真
このアメフトチームでの経験が自分を大きく成長させた。
学生でありながら選手のケアをさせてもらい、テーピングも巻かせてもらっていた。
そこでついた自信が専門学校卒業と共に渡米する決意に繋がった。
勉強不足でアスレティックトレーナーの試験(当時の新規受験者の合格率は6%、全体でも20数%)には落ちてしまったが、鍼灸あマ指師の国家試験には無事に合格し、資格を取得することが出来た。
国家試験の勉強と共に英語の勉強を渡米半年前から進め、国家試験の合格発表当日に僕はLA行きの飛行機に乗り、カリフォルニアへの語学留学へと飛び立った。
つづく
ふりかえってみて
今思えば、専門学校時代は、大きな人生の転換期であったし、人として成長出来た時期だったと思う。
何度も死ぬことを考えていた暗黒期(中学2年から高校2年の春にかけて)から立ち直り、
新たな人生を歩み始めるタイミングだった。
さまざまな出会いに恵まれ、不真面目な学生時代でさえもすべて自分に必要だったことだと思うし、専門学校に入学してからやって来たことに後悔は一切ない。
あの時しか経験出来ない自由な学生の時間を謳歌出来たと思う。
その上で卒業に向けて良い流れで成長して行けたと思う。
もっと学校の先生から学べば良かったかもと思うこともあるけど、きっとあの時の自分では理解できないことの方が多かっただろうし、
一生のうちバカみたいに遊ぶ時期があって良いと思う。そういう時間があったからこそ、今という時間の大切さが分かる。
学生時代に遊んでいない人は社会人になってから遊びを覚えてダメになるなんてことも言ったりするし、総じてバランスの取れた学生時代を送れたのではないかと思う。
どんな経験であれ、生かすも殺すも今後の自分次第ということで。
MITS
豪華客船の仕事についての記事はこちらから。
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