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Date - 2018.04.09

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新しい臓器が見つかった?最新医学と東洋医学から見る人間の身体。

西洋医学の歴史は200年以上あります。
科学技術の発展のお陰で人体の仕組みや構造についてたくさんの事が分かって来ました。

しかし、人間の身体には今の技術と知識を持ってしてもまだ説明が出来ない事がたくさんあります。

毎年のように新たな発見があり、
医学の常識は常に更新されています。

 

新しい臓器が見つかった?

先日このようなニュースが流れました。↓
人体で最大の新しい器官が発見されたという記事です。

「ヒトの器官で最大の器官が新たに発見される」

 

以下記事抜粋
■ 従来、結合組織と考えられていたが…

米ニューヨーク大学医学部を中心とする研究プロジェクトは、2018年3月27日、科学誌「サイエンティフィック・リポーツ」で研究論文を発表。
「皮膚の下にあり、消化管や肺、泌尿器系に沿ったり、動脈や静脈、筋膜を囲んだりしている層は、従来、結合組織と考えられていたが、実は、体液を満たし、相互に連結し合う区画が、全身にネットワーク化されたものであることがわかった」とし、「これを間質という新たな器官として定義すべき」と世界で初めて提唱した。
体重のおよそ20%に相当する体液で満たされた間質は、強度の高いコラーゲンと柔軟性のあるエラスチンという2種類のタンパク質による網目構造で支えられており、臓器や筋肉、血管が日常的に機能するように組織を守る“衝撃緩衝材”のような役割を担っている。
また、注目すべき点として、体液の移動通路としての働きがある。この体液がリンパ系に流れ込むことで、いわば、免疫機能を支えるリンパの元となっているのだ。

 

“間質”の図と顕微鏡図

 

人体最大の器官

今まで人体最大の臓器とされていたのは皮膚でした。
身体の全身を覆う皮膚よりも大きなものが今までなぜ発見されなかったのだろと不思議に思うかもしれません。

しかし、東洋医学を学んだ人にはピンと来るものがあるのではないでしょうか。

解剖の教科書に載ってはいないけど、
東洋医学では臓腑として考えられている存在のことを。

いわゆる三焦です。

東洋医学で臓腑と考えられているのが、
陰に属する肝臓、心臓、脾臓、肺臓、腎臓、心包(心臓の膜のこと)
陽に属する胆嚢、小腸、胃、大腸、膀胱、三焦
です。

この内今まで解剖学的に人体に存在すると認められてなかったのが三焦です。

東洋医学における三焦の役割は全身の水分循環です。
ドクターにより解剖学的に証明された今回の新しい臓器の役割も全身の水分(体液)循環です。

鍼灸師の人たちはついに三焦が証明されたと歓喜しているのではないでしょうか。

しかし、なぜ今まで見つけられなかったのでしょう?

 

三焦が見つけられなかった理由

実際に検体の解剖を何度も経験させてもらった立場からいくつか証言出来ることがあります。

ひとつは、検体を解剖する際、筋肉を出す時、
皮膚と皮下組織は同時に切り取られてしまい、
皮膚・結合組織・脂肪と筋膜・筋肉の間に存在するものの存在を確認しようとする人がほとんどいなかった事が挙げられるでしょう。

実際、30人以上の治療家が参加したハワイ大学での検体を使用させて頂いての解剖自習の際に皮下組織に注目して解剖を行なっていたのは僕以外に1人もいませんでした。

もう1つの理由は、
この器官が透明でMRIやCTで確認し難かったことや
通常の顕微鏡で組織細胞を観察する場合生命活動が停止しており体液循環が行われていなかったことが挙げられます。

血液が通った血管ならまだしも実際の解剖の際には半透明のリンパ管を見つける事ですらとても大変です。
それよりさらに見つけるのが難しい透明な臓器は尚更のことでしょう。

しかし、解剖をたくさん経験している方の中にはおそらくこの臓器の存在に何となく気づいていた方もいらっしゃるのではないかと思います。

 

実例を挙げます。

検体を勉強で解剖する際、人体の防腐の為ホルマリンを注入します。
そうすると皮膚と筋肉の間に透明なジェル化したような層を見る事が出来ます。
特に上背部ではっきりと見る事が出来ます。
解剖の講師の方はなぜこのような事が起こるのかよくわからないとおっしゃってました。

僕の予想ではこの透明なジェル化した層こそが新たに発見された“間質”であり、
普段は組織液が循環している場所にホルマリン液が溜まる事でジェル化した層のように見えていたのではないかと思います。
事実、このジェル化した層を圧迫すると水分がにじみ出る事なく層の厚みが変わりました。

つまり、内部の液が移動した事を現しています。
すでに亡くなった人体では体液循環が止まっているため確認する事が難しく、
生きている人間の身体では皮下にある透明な体液の流れを確認することが技術的に難しかった為、
今までこの臓器が発見される事なく200年もの時が経ったのだと思います。

医学的な新たな発見が教科書に乗り、一般常識になるまで10−15年の歳月が掛かります。
今回の発見もこれから他の研究者が研究を重ね実証されることでようやく認められることになるでしょう。

 

 

僕は自分の目で見たものか、実際に経験した事しか信じませんが、
今回の新たな臓器の発見に関しては2018年の1月にすでに自分の目で見て経験しています。
あの時はそれが何だったのかの確証がありませんでしたが、今では腑に落ちています。
あれこそが今回発表された新たな臓器(器官)であり、東洋医学で言う三焦なのではないかと。

 

決めつけるのはまだ早い?

しかし、今回発見された“間質”をそのまま三焦だと決めつけてしまうのは時期尚早だと思います。

2017年1月に腹部にあり、胃と小腸ー大腸を結ぶ腸間膜が新たな臓器だと提唱されたように人体にはまだ見ぬ臓器が隠れている可能性があります。

東洋医学で言う三焦は解剖学で言うと“腸間膜”で、
今回見つかった“間質”こそが概念として捉えられている“経絡”なのではないかと考えることも出来ます。

個人的には“間質”は”三焦”であり、この“間質”の中に川のように経路が存在し、
それこそが経脈なのではないかと考えています。

まだ仮説段階ではありますが、それを裏付けられそうなものを2018年1月に参加した解剖実習で見つけています。

また近いうちのその話を記事にまとめようと思っています。

僕の鍼灸師としての最終目標は、東洋医学と西洋医学の統合であり、
その為には概念として捉えられてしまっている東洋医学の気や経絡の物理的な証明が必要不可欠だと考えています。

最終的に証明されれば誰の手柄でも良いのですが、
未だ証明されていない気や経絡の物理的な証明を目指し、
ゆくゆくは研究者の道を歩みたいと考えています。
そしてそのさらなる先の目標に向かって。

今回の新たな器官が見つかったという発表はきっと東洋医学と西洋医学の統合に向けての大きな一歩だと言えるでしょう。

今後も注目してこの人体最大の新たな臓器(器官)である“間質”についていろいろと調べて行こうと思います。

MITS

この”間質”についてもっと詳しく知りたいと言う方は下記の参考記事を読んでみてください。
英語ですが、今回の研究結果を発表した博士の記事とCNN, national graphicの記事で“間質”発見の経緯なども含め詳しく書いてありますよ。

https://amp.thedailybeast.com/meet-the-interstitium-the-largest-organ-we-never-knew-we-had
https://www.cnn.com/2018/03/27/health/new-organ-interstitium-study/index.html
https://www.google.ca/amp/s/relay.nationalgeographic.com/proxy/distribution/public/amp/2018/03/interstitium-fluid-cells-organ-found-cancer-spd

おすすめ記事↓

“氣“や”経絡“は存在するのか。物理的な証明を目指して仮説を立ててみる。


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