Date - 2018.10.12
Category -
働いてわかったディズニーが世界で愛される理由
僕は今、豪華客船で働いています。
ディズニークルーズ、ホーランドアメリカライン、プリンセスクルーズ、P&O オーストラリア、ロイヤルカリビアンインターナショナルとさまざまなクルーズ会社で働いて来ました。
クルーズ旅行を提供する、いわゆる豪華客船の会社は数多くありますが、その中でもゲストの満足度がとても高いのがディズニークルーズです。
毎年何十万人と乗っていて、
リピート率は6割ととても高いです。
それはディズニーのコンテンツ力があるのは間違いないですが、それ以上にクルーのサービスの質が高いことがリピート率が高いことの理由です。
ディズニークルーズで働いていた時、出航パーティーの時に話したゲストの方は、
「アルーバ(カリブ海にあるリゾート地)で5つ星のホテルに泊まったけど、サービスの質が良くなかった、値段に釣り合わないサービスでがっかりした。
だけど、ディズニークルーズは何度乗っても一度もがっかりしたことがない。」と。
「ディズニークルーズで働いている人はいつもみんな笑顔でフレンドリーだ。」と言います。
気怠そうに仕事をしている人は1人もいません。
無愛想に働いている人もいません。
クルーは世界各国から集まっています。
約60カ国からクルーが集まり、多種多様な人種・文化を背景として持つ人々がディズニークルーズで働いています。
それなのになぜ質の高いサービスを保つことが出来るのでしょうか?
答えはトレーニングにあった
一般的なクルーズラインでは、船に乗った初日にいくつかトレーニングを受けた後、当日の夕方から仕事が始まります。翌日からは、他のクルー同様に働きます。
船のことをまだよく知らない、
仕事もよくわからない状態ですぐ仕事です。
習うより慣れろと言えば聞こえは良いですが、
初めて働く人からすれば戸惑うことばかりです。
もちろん、同僚が助けてくれるのでなんとかなりますが。
しかし、ディズニークルーズでは、初日は働きません。最初の1週間も毎日朝から夕方までトレーニングがあり、ほとんど仕事をしません。
まずはしっかりと船のこと、
ディズニーのことを学んでから仕事を始めます。
他のクルーズラインは、トレーニングはほとんどオンラインサービスを使い、自分でコンピューターを使って動画を見ながらテストをこなし1人で学んで行きます。
ディズニーは、教育をする部署の人やセキュリティ部署のトップが対面で講義をします。
1週間で基礎をしっかり理解するまで教え、
ディズニーの理念を教え込みます。
また、最初の1週間はトレーニングをするだけじゃなく、出航パーティーを観に行ったり、キャラクターとのウェルカムピクチャーの撮影があったり、ショーを観たりと初めて乗るクルーはディズニークルーズでゲストがどういう体験をするのか経験出来ます。
他のクルーズラインではまずありません。
自分がどういう場所で働いていて、
ゲストは何を求めて船に乗って来ているのか、
そして、ゲストがどんな経験をするのかを部署に関わらず働いているクルー全員が体験して知っている。
そんな会社がどれほどあるのでしょうか。
求められるものの基準が高い
ディズニーの会社では、
世界一のクオリティを働き手に求めます。
ディズニークオリティとは、最高のさらに上のクオリティだと。
それを作るのは会社ではなく、
ディズニーで働くあなただと言います。
世界の子供達がディズニーランドやディズニークルーズに行くことにどれだけ興奮するか映像を見たことがありますか?
大人でも初めて行く人であれば、その世界観に驚き感動するかもしれません。
そして何よりサービスの質の高さに関心させられるでしょう。
何故、ディズニークルーズはリピート客が多いのでしょうか?
それはひとえにクルーのサービスの質の高さがあるからです。
どれだけ素晴らしいコンテンツを抱えていてもそれを提供する人のサービスの質が低ければ、ゲストは満足しないでしょう。
挙げればきりがない程、ゲストからクルーズ会社に寄せられたクルーによる素晴らしいサービスのエピソードがあります。
素晴らしいクルーが居るからこそのディズニークルーズなのです。
そんな大切なクルー(社員)の幸せ、待遇こそが大切だと考え、ディズニークルーズはクルーをリスペクトし、さまざまなアクティビティをクルーにも提供しています。
確かに仕事ではとても高い基準を求められます。
簡単なことではないです。
日々の行動から言葉遣い、身だしなみなどもしっかりとしたルールがあります。
ゲストエリアに入る時は、
しっかりと身だしなみを整えたのか、ゲストの前に出れる心構えが出来ているのか問われます。
それが出来て居なければゲストエリア行けないくらいに考えなければなりません。
だからこそのディズニークオリティ
そして常にあるのが、お互いをリスペクトすることと相手の文化を尊重すること。
それを船に乗って最初の1週間でしっかりと学びます。だからディズニーで働いているクルーは皆フレンドリーでリスペクトし合えているのではないかと思います。
誰でもディズニーで働けるわけではないし、
数多くに応募者の中から選ばれた人だけがディズニークルーズで働けているので、
その段階でふるい分けはあるかもしれません。
それでもディズニーのトレーニングがあってこそのディズニークオリティなんだと思います。
トレーニング内容が表に出ることはまず無いとは思いますが、最高のサービスを提供する会社のトレーニングを受ける機会があれば学べるものは多いと思います。
ディズニークルーズで働いて思うこと
ディズニーは世界で一番有名な会社と言えます。
子会社にはさまざまな会社が含まれており、従業員の総数は13万人にも登ります。
ディズニーはアメリカのみではなく、
世界中で成功を収めています。
どんな文化でも認められる、
どんな国や地域でも人々が愛してやまない世界を創り上げるのには裏で相当な注意が払われており、
皆が同じ理念とビジョンを共有しているからこそディズニーは世界中で愛されているのです。
会社にとって、コミュニティにとって大切なことをしっかりと抑えているからこそディズニーは世界中で愛されています。
そんな会社で働いて思うのは、
皆が同じ方向を向いて働けるような理念を掲げ、
それに必要なことを教育する為のトレーニングを行い、
かつ多文化の背景をリサーチしつつ、
リスペクトし合える教育内容でトレーニングをし、
達成するべき目的を明確にして、その目的を達成する為の方法を教え、
働く人の幸せもサービスを受けるゲストの幸せと同じように大切にし、
しっかりとしたルールを作り、ルールを守らなければならない環境を作り上げるところがディズニーがディズニーたる所以なのだと。
そしてそれは会社を立ち上げた1人の男から始まっていて、その男の理念が今でも会社に引き継がれているからこそディズニーは彼が亡くなった後でもさらに成長を続けることが出来ています。
偉大ですね。
ウォルト・ディズニー
“永遠に完成することがなく、ずっと成長し続けるのがディズニーランドであり、ディズニーである”
おわりに
ディズニーのトレーニングではこれからディズニーが創ろうとしているものについても紹介していて、正直ワクワクしまくりな内容でした。
スターウォーズのテーマパークやホテルだったり、新しいディズニークルーズの船が2021年から3年連続で3隻就航する予定だったり、今後のディズニーワールドについてだったり。
今後もディズニーの勢いは衰えないだろうし、
むしろこれからもっと成長して行くだろうなということが容易に想像出来ました。
これこそがディズニーなんだと思います。
そんなディズニーの理念とクオリティからたくさんのことを学び今後の自分の人生に生かして行こうと思います。
MITS
スポンサーリンク
- Recommend
- Category
-
- About me (19)
- Acupuncture (19)
- Column (38)
- Cruise (40)
- Study (14)
- Acupuncture (7)
- Anatomy (5)
- Brain (1)
- Language (3)
- Travel (11)