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Date - 2017.10.25

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豪華客船に向いてる鍼灸師向いてない鍼灸師

世界を旅しながら仕事が出来るん?
なんか、いろいろな国の人と友達になれるみたいやんな?
しかも、結構稼げるらしいんやて?

ええやん、豪華客船
せやったら俺も乗ろかな、船。

という風にこれまでの記事を読んで思った方がいらっしゃるんじゃないかと勝手に思ってます。

こんにちは。
管理人のMITSです。

今まで書いてきた内容は全て僕の経験からまとめて来たものであり、
偽情報は一切ありません。

だからこそ自分が出す情報には責任を持たないといけないなと感じています。

個人的には豪華客船での仕事はやりがいがあり、
学びが多く、
楽しみも多く、
陸地で働いていては手にする事が出来ない素晴らしい経験を積む事が出来る、
他に類をみない仕事だと思っています。

しかし、実際の所、

豪華客船に乗ったはいいものの、
僕が言っている船の楽しい部分を経験する前に船を降りる決断をする方、
言ってみれば理想と現実の違いに耐えきれない方もいる事は無視の出来ない事実としてあります。

それがなぜ起こるのか。

厳しく言えば、
本人の覚悟が足りていなかった。
努力が足りていなかった。
豪華客船がどういう職場なのかをしっかり認識していなかった。
中途半端な気持ちで船に乗った本人のせいと切り捨てる事も出来ます。

しかし、
視点を変えれば、

それは開示してある情報が足りなかった。
先に乗っている人からの情報が少なかった。
豪華客船の仕事について語る人がいなかった。
単純に職場の人達の(特にマネージャーの)人間性が低く劣悪な環境で我慢の限界を迎えてしまった。

など、本人だけの所為にするには気の毒な所もあります。

どんな環境でも信念を持って突き進んで行ける人もいますが、
そうでない人の方が多いでしょう。

僕が船の生活を楽しんでいられるのは単に人に恵まれ、運が良かったからという視点で捉えることも出来ますし。

そこで今日は豪華客船で働く事を決める前に
あなたが豪華客船で働くのに向いているのか向いてないのか判断する材料になるであろう条件を理由も含めてまとめていきます。

 

向いてる人』– 『向いてない人

 

1. 社交的な人職人気質な人

単純に職場は”客船”なので船での仕事は接客業になります。
さらに、集客は完全に個人の力量に左右されます。
どれだけ自分から動けるかが船では大切になってきます。
職人気質な鍼灸師で治療院に構えて患者さんが入ってくるのをただ待つタイプの方はどれだけ腕に自信があっても船で成功するのは難しいのではないかと思います。

2. フレンドリーな人自分の世界を持っている人

職場はSPAです。船によって同僚の数は変わりますが、少なくても10人多いと50人を超える事もあります。
そんな中ではフレンドリーな人の方がうまい人間関係を作れるでしょう。
フレンドリーな方がゲストも気軽に治療を受けようと思う事でしょうし。

船以外でもそうですが、
患者さんが鍼治療を受けようと思う理由って結局は鍼灸師の人間性です。
同僚のメディスパドクターが言ってましたが、
特に鍼は誰が治療をするのかが大事だと。
そうなれば自分の世界に閉じこもってる不思議ちゃんには難しい環境になります。
一周まわって不思議ちゃん具合が功を奏すこともありますが。。。
今までの経験上だと、大概の鍼灸師は後者ですけどね。笑
だから鍼灸師は変なやつが多いってSPAの同僚はみんな言ってます。

3. チャレンジ精神旺盛な人石橋を叩いてその橋を結局渡らない人

雇われの身と言えど、
船で働くとなると個人で開業するのと同じように自分の仕事を自分で管理する事になります。
SPAマネージャーはいますが、
だいたいのマネージャーは鍼灸師のビジネスに関してはノータッチです。
自分で試行錯誤を繰り返していく以外成功する道はありません。

船には鍼灸師は自分1人で、
助けてくれる人はいません。
一応、鍼灸師のボスが会社にいてメールや電話で相談に乗ってくれたり、
たまに船まで来てトレーニングをしてくれますが、
結局は自分次第の環境です。
その中でどれだけチャレンジをして行けるかが結果に大きな違いを生み出します。
アドバイスをもらったらとりあえずそれを一度全てやってみるくらいの気概がなければ最初の契約ではなかなかうまく行きません。
そのアイデアが正しいかどうかをいくら考察して新しい案を出した所で実行してみなければ何も変わりません。
一歩が踏み出せないタイプにはとっても厳しいのが船という職場です。
後押ししてくれる人はいませんよ。

4. 情報を集める人当たって砕けろ精神のみで突き進む人

船での成功のキーとなるものの1つがマーケティング。
船という職場は完全にビジネス一色の職場です。
お金を稼いでなんぼ。
上から売り上げを上げろとプレッシャーがかかって来ます。
忙しい船の7日間クルーズでのSPAの売り上げは、人数の規模による違いはあれど、
だいたい1000万円から1600万円です。
鍼灸師はSPA全体の売り上げの10%を出す事が会社から課せられる期待値となりますので、
単純計算で1クルーズで100万円以上の売り上げを求められます。
1ヶ月で100万円ではありません。
7日間で100万円です。

日本で開業している鍼灸師でこれだけの額を稼いでいる鍼灸師が一体どれだけいるのでしょうか。
おそらく1%もいないんじゃないないですかね。
日本の鍼灸師の給料は雇われだと初任給20万円切ってますし、
5年10年働いても雇われだと50-60万円行けばかなりいい方で、
大概が30万ちょいから40万円いかないくらいかと思います。
50万円手取りである方達の売り上げは月に200万円ちょっとくらいになるかと思います。
そして独立開業している人ではよっぽど成功してない限り月の売り上げが1人で200万円を超える事はないんじゃないかと思います。
(僕は日本では1年しか働いてないので日本の現状を詳しく知ってるわけではありませんが)

では、それだけ高い期待値を求められる環境においてただがむしゃらにやれば結果が出るかと聞かれれば、NOと言わざるを得ません。

情報を集めて正しいマーケティングが出来るようになり、
その対策が打てれば安定した結果を出し続けることが出来ます。
もちろん好不調の波はどうしてもあるので毎回まったく同じ結果とは行きませんが。

何も考えずに目の前の事に打ち込むだけの鍼灸師はそのうち気がまいってしまい船を契約の途中で降りる、もしくは嫌な思い出ばかりの1度きりの契約だけで船で働くことを終えるという結果になる可能性が高くなります。
どちらを選ぶかは自分次第ですね。

 

5. 大きな志を持っている人豪華客船がゴールになっている人

人それぞれ目標とする所が違うでしょう。
豪華客船という職場で言えば、
船に乗ることを目標として乗って来る者は総じて心が折れるのが早いです。
逆に船を次の自分の目標へ向けてのステップと捉えている人ほど逆境にめげず成功を収めて行きます。

鍼灸師以外のポジションで言うと本当に生活がかかっているフィリピン人やジャマイカ人、南アフリカ人はSPAでも結果を出す人が多く、
逆に母国の方が稼ぎが良いイギリス人はモチベーションが保てず悪循環に陥る人が多いです。

豪華客船で働いたからといってそれだけで何かプラスになる事なんてありません。
その環境で実際に何をしたのか、
何を学んだのかが重要です。

夢を打ち砕くような事かもしれませんが、
百数十人を超える僕の同僚の中で(鍼灸師とそれ以外のポジションも含め)、
船でのキャリアを終えた後に大きな成功を収めている人は数人しかいません。

豪華客船で働いたから人生が大きく変わるなんてことはありませんよ。
今成功を収めている僕の友達はみな船に乗っている時から周りとは違うマインドセットと行動をしていました。

ただ世界を旅したいだけならピースボートにでも乗って世界を周るか、
バックパックで旅をする方がよっぽど良い経験になるかい思います。

なぜ豪華客船という舞台を選ぶのかという事をしっかり考えておいた方がいいですよ。
それが実際に船で働いて、周りの人たちを見ていて思う僕からのアドバイスです。


6. 鍼メインで治療をする人鍼も使って治療をする人

一般の方からすると
ん??
と思うかもしれません。

日本で鍼灸師の資格を取る場合、
学校によっては鍼灸師だけの場合と
鍼灸師とあん摩マッサージ指圧師の資格を同時に取れる学校があります。
なので鍼灸師でも鍼だけではなく、
マッサージやお灸を組み合わせて治療する方、
むしろ鍼をほとんど使わない鍼灸師が大勢いたりします。

「鍼だけで俺は全て治してる。スゲーだろ」
と踏ん反り返ってる鍼灸師は論外なのでわざわざ説明する気も起きませんが、
日本での鍼灸師の治療において鍼とは1つの手段であり様々な治療と組み合わせる事で最大限の治療効果を引き出すことが出来ます。

なので同じように船でも鍼以外の技術で治療をして行こうと考えている方がいらっしゃるかと思います。
しかし、はっきり申し上げておきますが、
豪華客船では”鍼師”を募集採用しています。

船は火気厳禁なのでお灸が使えません。
無煙灸なども最近はありますが、
灸治療をする事を船は想定していません。
それに鍼以外の治療法、
例えばカイロプラクティックは禁止されています。
治療の終わりに多少マッサージをする分には問題ないですが、
船では鍼以外をプロモーションすることはまずありません。

1つの大きな理由として職場であるSPAには鍼灸師以外にマッサージセラピスト、フェイシャリスト、メディスパドクター、フィットネスインストラクター、ヘアードレッサー、ネイルテクニシャンと様々なセラピストがいます。
特にマッサージはSPAがメインで推しているサービスなのでそこと客を取り合う形のプロモーションはまず許されないかと思います。

なので鍼の技術向上の為、
鍼治療の経験を積む為、
自分の鍼の腕を世界で試すのが目的であるのならば船は有意義な環境となりますが、

鍼治療の知識と技術が最低限なければ、
どれだけマッサージで効果が出せようとも船には向いていないと言わざるを得ません。
その部分をしっかり理解して豪華客船への扉を開いてくださいね。

 

以上、実際に豪華客船で働く鍼灸師から見た
船で働くのに向いてる鍼灸師、向いてない鍼灸師まとめでした。

たぶん考えればもう少し出てくるのだろうと思いますがすでにだいぶ長くなっているので、
今回はここまで。
追加分があればまた記事にまとめてあげますね。

MITS

 


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このブログでは鍼灸・医療・身体の事を中心にMITSが実際に経験したことから学んだことを書いています。

時には旅の話や日頃考えていることなど医療と全く関係ないことも書いています。

 

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