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Date - 2017.05.20

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鍼灸師として豪華客船で働くという選択

こんにちは!

鍼灸師兼旅人として世界を周っているMITSです!
仕事の舞台を陸地から船上、海の上に移してから3年半が経ちました。

 

船以外でも旅をし、
訪れた国の数は40ヶ国を超え、
周った都市の数は100を超えました。

 

今までは不定期でFC2ブログで「I AM MITS」

palpation.blog.fc2.com

というタイトルでブログを綴っていました。
今後はこちらで記事を書いていきます。

 

では、本題へ。

 

前置き

 

日本には鍼灸という言葉を知っている人がたくさんいると思います。

(“鍼灸”という文字より”針灸”と書いた方がわかりやすいかもしれませんが、鍼灸師として、”鍼”という字にプライドを持っているのと
日本語の字の意味を大切にしているので鍼灸に限らずこのブログでは難しい漢字をあえて使って行きます。

 

まあ、だいぶ日本語に弱くなってきてますけど(笑)

 

しかしはたして一体どれだけの方が鍼灸を正しく認識しているのでしょうか。

たぶん、8割以上の人が、僕たち鍼灸師が知って理解して欲しいと思っていることの半分も鍼灸の事を分かっていないと思います。
今日はそんな鍼灸の話をしたいと思います。

 

今日の記事は、鍼灸を知らない人向けではありませんので、
鍼灸の知識がない人はこんな世界もあるんだ程度に思って記事を読んでくれたら楽しめるんじゃないかと思います。

鍼灸師諸君とこれから鍼灸師を目指す諸君。
今回の記事はあなたのためのものです。
心して読むように!

 

鍼灸業界の現状

知らない人の方が多いかもしれませんが、
現在、鍼灸師の数が年々増え、
鍼灸師という仕事は飽和状態にあります。
その一つの大きな要因として鍼灸学校の数が増えたことが挙げられます。

 

30年前は20数校だった数が現在は100を超え、年々増え続けています。
これは鍼灸に限らず、柔道整復師などの他の医療資格にも言えます。

鍼灸院、接骨院、整体院(それぞれの違いの説明は今回は省略します)が現在至る所に乱立し、総数は全国のコンビニの総数より多くあります。

 

さらにリラクゼーション業界が成長し、
60分2980円などの格安リラクの店がかなり増えました。
それも鍼灸院や接骨院を圧迫してる一つの要因です。

 

ちなみに
体調不良を訴えている方は、
こういう格安のお店には行かないでくださいね。

安かろう悪かろうで、
ちゃんとした技術を持った施術者はこういう店にはいませんのでマッサージを受けた後逆に悪くなるか、
まったく気持ち良くない60分を過ごすだけです。

 

あれで気持ちいいなんて言ってる人は本当のマッサージを受けたことのないマッサージについて何も知らない人くらいです。

 

それに、
知らない人の方が多いと思いますが、
マッサージは医療資格で、
あん摩マッサージ指圧師という免許があり、
本来ならば無資格者はマッサージを行なってはいけない事になってます。

しかし、おバカなお偉いさん方がそこんとこを理解してないからリラクゼーション業界なんてものが発展。。。
これ以上は愚痴になるので自己規制。

 

 

そんな競争が激しい中で生き残れる鍼灸院、鍼灸師が一体どれだけいるのでしょうか。

飛び抜けていなければ、治療の腕だけでは歯が立たない業界に変わって行ってます。
ビジネスをしっかりと考えて経営しなければすぐに潰れてしまう。
鍼灸業界とはもはやそんな世界です。

 

しかし、そんな事は学校では誰も教えてくれません。

鍼灸師を志す人は職人気質の方が多く、
純粋に患者さんを助けたい、
多くの人を助けたいと思って学校に入学してくる人が多いかと思います。
(もしくは何も考えずとりあえず手に職をと言って入学して来る人)

そんな彼らにビジネスを学べという方が酷な事だと思います。

 

一番良いのはビジネス業界で働いて知識がある人が上に立ち、
現場で患者さんと向き合えれば幸せだという鍼灸師をマネージメントする形だと思うのですが、
それも外から見れば搾取する者と搾取される者という構図にしか見えません。もちろん鍼灸師が搾取される者側です。

 

中には心あるビジネスマンが鍼灸師と患者さんと経営者それぞれに一番良い形で治療院を運営してくれていますが、それは極めて少数でしょう。

 

昔から院長だけ儲けて従業員の給料は会社員の初任給以下なんてのはザラですし。

しかも長時間勤務。

今後ビジネスマインドを社会で得たのちに鍼灸業界へと踏み入って来る人が増える事も予想できますが、現状それは全体の1%にも満たないでしょう。
(これは僕の経験則なので根拠のある数字ではありませんので悪しからず。)

 

もともと鍼灸師になろうという志は人を助けたいという想いから生まれ、ビジネスはお金を稼ごうという考えから生まれるので相容れない場合が多いです。

 

鍼灸師の問題

鍼灸師にありがちなのが、
患者さんからお金を受け取ることに
お金を稼ぐこと自体に後ろめたい気持ちを持ちがちです。

 

これは鍼灸師だけではなく、
日本人全体にも傾向として言えることかもしれません。

かくゆう僕も出来る事ならば鍼灸治療は患者さんからはお金を取らずにやって行きたいと本気で思っています。

しかし現状、お金が無いとやっていけないのでお金は稼がなくてはなりません。

 

やりたい事をやって生きていきたいけど、
やりたい事からお金を稼ぐのに申し訳なさを感じる。
それが日本で鍼灸師として生きる人々に常にのしかかる問題です。

歯がゆいですね。

もし、お金を稼ぐ為に鍼灸業界に入る、
そのために鍼灸師の免許を取ろうと考えてる人がいるならば、
違う分野に行く事を強くお勧めします。

 

鍼灸で稼ごうなんて考えるのがそもそも間違いです。日本では。
IT業界や他のビジネスに入って行く方がよほどお金を稼ぐには向いてると思いますよ。

僕も将来的には、
鍼灸と全く違ったビジネスでお金を作り、
無料で、もしくはそれに近い形で鍼灸治療をしていけたらと考えています。

出来るか出来ないかは別として。

 

今後の可能性

じゃあ、

鍼灸師は安い給料で雇われ鍼灸師のまま長時間働くか、
もしくはわずかな成功の可能性に賭け潰れる確率の方が高い独立開業の道に進んで木っ端微塵に砕け散るしか道はないのかといえば、
そんな事はありません。

 

先にも、
“日本では”鍼灸で稼ごうと思うのがそもそも間違いだと書きましたが、
“日本では”という事は、日本以外ならその道があるという事です。

海外では鍼灸治療費がそもそも日本より高いです。

それでいて健康志向の高い富裕層がよりナチュラルな治療として鍼灸に注目しています。

 

もちろん、

知識と技術と語学力とプレゼン力が無ければ海外で活躍して稼ぐ事は出来ません。
可能性が高いからと言って卒業したての鍼灸師が何も考えず、いきなり海外へ行ったところで何も出来ず日本に帰って来るのは目に見えてます。

 

1年で帰って来るにしても最初は世界を見る為に、
そこで活躍する為に何が必要なのかを自覚する為にとりあえず海外へ行くという選択肢は一つの手だと思いますので否定はしません。

実際僕も初めは、

自分が本当に海外でやっていきたいのか、海外でやって行くのに何が必要なのかを確かめる為に、卒後すぐにアメリカへ渡りました。

語学留学で半年という期間でしたが、
その半年があったおかげで今の自分があると強く言えます。

 

しかし、皆が皆留学出来るとは僕も思っていません。
留学にはお金がかかります。

ワーキングホリデー制度を使えば少ないお金で海外へ飛び出す事も出来ますが、
運が良くないと鍼灸師として多くを学ぶことは難しいのではないかと個人的には思います。
ましてやその流れのまま海外で開業してやって行くのはほぼ無理なんじゃないかと思います。

 

豪華客船という選択肢

そこで海外に興味がある方に、
しっかりと稼ぐことも出来る一つの選択肢として、

僕は船上鍼灸師という道を日本人鍼灸師の方、
そして鍼灸学生の方に提示します!

全てが良いことばかりではなく、
大変な思いもするし、
語学の問題も出て来るので思いつきですぐに船に乗れるほど甘くはありませんが、

船に乗ることでお金を稼ぎつつ、
自分の鍼灸の腕を磨きつつ、
英語力を高めつつ、
世界を旅しながら、
いろいろな国の人に会い、
様々な文化に触れることが出来ます。

 

船は、ビジネス至上主義の職場なので、
どれだけ良い治療をして治療効果をだしたかで会社から評価をされる事はありません。

ここははっきり言っておきます。

誰かに褒められないとがんばれないという人には向いてない職場と言えるかもしれません。

 

しかし思うに、
鍼灸師は患者さんの笑顔が見られればそれで満足という人も多いかと思います。
その点で言えば会社からの評価は実際どうでも良いのかもしれません。
実際僕も他人の評価は全く気にしてませんし。

 

豪華客船をすすめる理由

僕が船をお勧めしたい理由の一つに
ビジネスを学べるからという点が挙げられます。

 

船の給料形態は完全歩合制です。
一応基本給として月に約US$80はあって、
最低月料がUS$800と定められてはいますが、
よほど暇な船じゃ無い限り最低給料を超えられない事はありません。

 

一応、船の鍼灸師の平均給料は月US$3000と言われています。
暇な船に乗って集客をうまく出来なければその数字は月$1,000代まで落ちますが、
逆に言えば稼げる船に乗れて集客を上手くやれば月US$10,000を超える事も夢ではありません。

船ではお金を使う事があまりないので貯金を結構短期間で貯める事もできます。

船では自分のマネージメント力、ビジネス力が鍛えられます。
苦労してもがいて船で成功を収めることが出来れば、
きっとどこの国へ行ってもやっていけると思います。

 

また、ビジネス力が上がれば副業として他のビジネスをしながら鍼灸師として働く事も出来るようになるでしょう。
海外へ出ればビジネスのアイデアになるヒントがたくさんあります。
船での人との出会いからそのチャンスが巡ってくる可能性もあります。

 

もちろん、
ただ船に乗れば僕が言っているように全てが上手くいくわけではありません。
船に乗っても何も行動を起こさなければ何も起こりません。

 

しかし、行動を起こせば、

鍼の技術も
治療経験も
いろいろな症状・疾患に対しての知識も
給料も
ビジネス力も
将来海外や日本でやって行く上で必要となるスキルを得る事ができるでしょう。

 

船の上では自分が唯一の鍼灸師となるので、
全てを自分でやっていかなくてはなりません。

 

でもそれは、
開業したら自分でやらなければいけない事なので、
船は開業の練習にはもってこいの職場かもしれません。

 

おわりに

実際、船に乗った後に日本で開業をしている鍼灸師も多いです。
船に乗るまでかかる時間は人それぞれですが、
最短で鍼灸資格取得後半年で乗った鍼灸師もいます。

英語がまったく話せない状況から1年で乗船まで行った鍼灸師もいます。
僕はおそらくその当時最年少の22歳で鍼灸師として船に乗りました。
今まで最高齢の船上鍼灸師は67歳です。

 

本気で海外へ出たい、
豪華客船に鍼灸師として乗りたいのであれば、
努力次第で誰でも船に乗れる事でしょう。

(7ヶ月間船で働けるだけの必要最低限健康である必要はありますので、
健康問題がある方や安全上の理由から障害を抱えてる方は残念ながらその限りではありません)

 

客船業界は、今急速に発展しており、
新しい船がどんどん作られています。
世界ではクルーズ旅行が休暇時の選択肢として注目を集めています。

この先10年、20年経ってもその勢いは衰えないのではないかと僕は考えています。

 

そして、

最後に船上鍼灸師の一つのメリットとして、
一度乗ってしまえばクビにならない限りまた何度でも、
長い期間が空いても船に戻れるという事が挙げられます。

 

つまり、

陸地で開業したけど失敗してお金がなくなったとしても船で働くという選択肢があり、いつでもまたお金を貯めて再挑戦するという事が出来ます。

 

何を言いたいかというと、
失業の不安がなくなります。

「なんかあれば船に戻ればいいや。」となって。

 

もちろん大前提として船に乗ってある程度の成功を収めて会社がまた雇いたいと思ってくれる事が必要ですが、

船上鍼灸師は仕事や生活が大変なせいか何度も乗る鍼灸師の数があまり多くないのでポジションが空きやすく、よほどの事が無い限りきちんと契約を満了すれば船に戻る事が出来ます。

それに鍼灸師を雇う会社は1社しか無いわけでは無いので、
1社がダメでも違う会社でという選択肢もありますし、
メリットデメリットトータルで考えても船上鍼灸師はこれからの日本人鍼灸師にとって良い選択肢なのではないかと思います。

船上鍼灸師の経験を経た後に海外へと挑戦をする鍼灸師の数が増えればいいなという想いを僕は心に秘めてます。

 

今後の記事で船での生活の事や
船上鍼灸師のメリットデメリットについても書いていきますので、
興味がある方は引き続きブログを読んで頂ければと思います。
僕のブログは基本的に長くて読みづらいかもしれません。

それでも内容が無い記事を日々更新するよりも
読者の方が知りたい事を
自分が知りたかった事をしっかり伝えられる記事を
一つ一つ提供していけたらと考えてます。

僕が思う必要な情報を惜しみなく出して行きますので、今後ともよろしくお願いします!

MITS


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