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Date - 2019.03.10

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戦争とトラウマ。豪華客船で知った今も残るベトナム戦争の後遺症。

日本は戦後74年を迎えようとしています。
実際に戦地に行って戦争を経験した日本人の話を直接聞く機会はなかなかないのではないかと思います。

 

しかし、戦争は遠い昔だけの話ではありません。
今も世界のどこかで起きていることです。

だからこそ、戦争がもたらして来たものを話し、
未来を生きる人々に伝えて行かなければならないと思います。

 

僕は実際の戦争の地に立ったことはありません。

出来ることならば、一生戦地に赴かずに済めば良いと思っています。

だけど、戦争の記憶は風化させてはならないものだと強く思っています。
豪華客船で一緒に働いていた友人の中には実際に戦争に行った人もいます。

治療をしたゲストの中には、ベトナム戦争に行っていた元軍人の方もいました。

彼らから戦争現場の話を詳しく聞くことはなかったけど、

戦争が彼らにもたらしたものについて少し話をさせてもらいました。

また、彼らに今も残るものについて。

 

今回の記事は重い話になります。
目を背けたい人もいるかと思います。
でも、だからこそ知っておくべき話だと思います。

戦争が何をもたらすのかということを。

 

 

スリランカ人の友人から聞いた戦争の話

僕の友人の一人、スリランカ人の彼は、ヘアスタイリスト。
彼は僕より4歳年上。

そんな彼は、戦場へ兵士として行ったことがありました。
今からたった10年ちょっと前の話。

スリランカは、インド洋に浮かぶ島国で、インドより少し南下方に位置する国。

そんなスリランカの内戦が終わったのは2009年のこと。
1983年から26年続いた犠牲者7万人を出した内戦です。

 

その内戦の戦場に彼は居ました。
船で一緒に働いていた時は、僕と何も変わらない青年です。

戦争に、戦地に行ったことがあると彼から聞かなければ、
彼が戦地に行ったことがあるなんて思いもしなかったです。

 

彼はとても穏やかで、軍人とは真逆の雰囲気を持ってると言っても良い男です。

彼は運良く、交戦はしなかった。

しかし、彼が任務期間を終え、
戦地から帰った数週間後に彼がいた場所が戦地になっそうです。

入れ替わりで入った部隊の多くの人が戦死したそうです。

あと数週間ズレていれば、死んでいたかもしれない。
彼は、そう話してくれました。

 

僕は想像することしか出来ないけど、

確かに僕の身近の人が戦争に行っていたという事実があります。

そして、僕らの知らないどこかで今も戦争は起こっています。

それは忘れてはいけない事実なんだということを叩きつけられました。
それから僕は戦争について他人事ではなく、もっと自分事として考えるようになりました。

 

 

ベトナム戦争を経験した元軍人のゲストとその奥さんから聞いた戦争の話

ベトナム戦争でのベトナムの犠牲者数は約235万8000人と言われています。
(レスター・R・ブラウン「地球白書1999-2000」(1999)より)

アメリカ人の死者数は約5万8000人。
そして負傷者の数は30万人にのぼります。
アメリカ軍がベトナムから撤退したのは1973年のこと。
今も多くの元軍人がベトナム戦争の後遺症、PTSDという形で悩んでいます。

 

豪華客船で治療を受けに来てくれた方もPTSDを発症させていました。

夜寝むるとベトナム戦争の夢を見るせいでぐっすりと眠ることが出来ないと。
もう何十年も。

その話は一緒に治療ルームに来ていた奥様が話してくれました。
鍼治療は別の症状に対してで、1週間という短い期間だったのもありPTSDまで対処することは出来ませんでした。
戦争が残こすものは目に見えにくいかもしれませんが、
何十年と残ります。

 

当事者を見れば、それは一生残るものです。

奥さんの話では、戦争前と後で、彼は変わってしまったと。
彼が彼であることには変わりないけれど、
性格面での変化が大きくあったと。

 

彼は教えてくれました。
ベトナムの戦地で、銃撃のなか、仲間が倒れていく中を逃げたと。
隣で倒れていく同僚を助けることが出来なかったと。
見捨てて逃げることしか出来なかったと。

 

心の優しい人ほど、戦争のトラウマに苦しんでいるようです。
心を亡くすことが出来ない人ほど。

人を殺したことでトラウマを抱える人もいるでしょう。

ゲリラ戦の中、いつ襲われるかわからない戦地で過ごした影響で夜に安心して眠れなくなった人もいるでしょう。

そして、それに苦しむのは、戦争を経験した人だけではなく、
その家族もです。

 

人は一人では生きて行けない。

裏を返せば、戦地に赴いた人だけが戦争の後遺症の影響を受けるんじゃないということ。

PTSDに悩む人の家族も関わっていくことになるのです。

 

考えてみれば当たり前のことかもしれません。

それでも戦争を引き起こす人は、戦争によって出る犠牲者や被害者、
その家族のことなど考えていないでしょう。


考えてると口では行っても結局は口だけ。

本当に考えているのなら戦争を回避して別の方法を取ることが今の時代なら出来るはず。

戦争をするデメリットの方が大きくなってる現代なら。

 

戦争は2度と起こしちゃいけない。

戦争経験者の話を直接聞いて改めて思います。

 

 

戦争を知らない僕らが伝えていかなくてはいけないこと

それは、戦争経験者の話。

戦争を知らないからこそ、戦争を知ってる者の話を伝えていかなければならない。


何があったのか。
戦地に赴いた彼らが何を見たのか。
彼らが何を感じたのか。
そして、戦争が終わった後に何を残したのか。

日本国からすると最後の戦争は、太平洋戦争かもしれない。

でも、自衛隊の活動を見れば、
アフガニスタン戦争やイラク戦争に行っている。

戦争に行ったことがある人が周りにいないからと言って、戦争から目をそらしていいわけではないでしょう。

 

機会があるのならば、実際に戦地へ赴いた人から直接話を聞いて、

その生の話を後世の人たちに彼ら彼女らの生き様を話し伝えていくことが平和を生きる僕らの役割なんじゃないかと思います。

戦争が目の前に迫る前にはっきりとNOと言えるように。


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ブログでは鍼灸・医療・身体の事を中心にMITSが実際に経験したことから学んだことを書いています。

時には旅の話や日頃考えていることなど医療と全く関係ないことも書いています。

 

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note / Mits F Matsunaga(ミッツ・F・マツナガ)

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