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Date - 2018.06.05

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“氣“や”経絡“は存在するのか。物理的な証明を目指して仮説を立ててみる。

はじめに

こんにちは。

将来叶えたい目標のひとつに“氣”の物理的な証明と経絡の解剖学的な発見を掲げているMITSです。

経絡については以前の記事で少し自分の考えを書きました。

そこでは僕は、「経絡とは筋・筋膜と皮膚の間にある結合組織と脂肪組織の間にある隙間であり、血管の脇のスペースであり、そこにある血管のような管、もしくは管のような構造のことである。」と説明しました。
今回の記事では“氣”を絡めてもう少し詳しく僕の仮説を説明して行きたいと思います。

 

経絡とは

まずは経絡とはなんなのか、東洋医学の考えを元に見て行きます。

経絡とは簡単に言えば、“氣”の通り道です。この“氣”の通り道上に経穴(ツボ)があって、鍼灸師はそのツボに鍼やお灸をすることで人の身体を整えています。また、経絡とは、経脈と絡脈のことを指します。

人体にはメインの経脈が12本(正経十二脈)とサブの経脈8本(奇経八脈)があるとされています。各経脈は、人体を縦断、もしくは横断する形で走行しています。

 

 正経十二脈

肺経、大腸経、胃経、脾経、心経、小腸経、膀胱経、腎経、心包経、三焦経、胆経、肝経

奇経八脈

督脈、任脈、陰蹻脈、陽蹻脈、陰維脈、陽維脈、衝脈、帯脈

 

絡脈とは、経脈と経脈を繋ぐ脈(管のようなもの)を指します。

日本の道路を例としてつかうと

高速道路が経脈高速道路と高速道路を繋ぐ一般道が絡脈のようなものと考えてもらうとわかりやすいかと思います。

経穴は、高速道路にある料金所

ここが詰まれば渋滞が起きるように“氣”が滞ります。

鍼灸治療は、料金所のおじさんを刺激して流れを活性化もしくは、逆に不活性化をさせることで“氣”の流れを調整していると考えるとわかりやすいのかなと思います。

また、経穴の中には絡穴と呼ばれる経脈と絡脈が交差する場所があります。一般道から高速道路へ入る入口、もしくは出口です。

ここが詰まれば、高速道路と一般道両方の流れ、さらに隣り合う高速道路(経脈)にも影響が出ます。逆に言えばこの絡穴を使うことで2つの経脈に効果を出すことも出来ます

重要な考えとして、経絡は、血管でもなければ、老廃物の流れるリンパ管でもないと言われています。

 

東洋医学では、人体には、“氣”のほかに、“血”と“津液”が流れていると考えられ、“血”は血管を、“津液”はリンパ管を流れていると解剖学的に考えることが出来ます。

つまり、“氣”が流れる経絡はまだ人体で解剖学的に見つかっていません。
(いろいろな研究でこれが経絡なのではないかというものはいくつかあるようです)

経絡は、東洋医学思想で、西洋医学では、ただの概念であり、解剖学的には存在しないものと考えられてきました。
鍼灸師の中にも“氣”や“経絡”は概念であり、実際には存在しないものと考えている方も居ます。

果たして本当にそうなのでしょうか?
僕は学生時代から経絡が実際に人体に存在するのではないかと考えていました。

 

もし、経絡を発見することが出来れば、“氣”がなんなのかも物理的に証明することが出来るのではないかと思います。

正直言うと、僕の中ではおそらくこれであろうという答えが出ています。

将来的には自分で研究をしてそれを証明して行きたいのですが、まだ他にやりたいことがあるので、僕の仮説を今回書いて、誰かが研究して証明もしくは否定してくれたらいいなと思ってます。

 

 

“氣”について

僕は、“氣”は、“物質の振動”だと考えています。“波動”と呼んでも良いかもしれません。

人が死ぬと“氣”は体から無くなると東洋医学では考えられていますが、
人が死ぬと体内の血液やその他体液の循環が止まるので、”物資の振動“も止まります。

この“物質”は、なんでもなり得ますが、経絡を流れるのは“間質液(組織液)”と呼べるのではないかと思います。

人体の60-70%は水分だと言われているように人の体にはさまざまな体液が詰まっています。その中で血管を通るものが“血液”、リンパ管”を流れるのが“リンパ液“、それ以外の細胞間を巡るのが“間質液”です。

血液:動物の体内をめぐり流れる液体。種々の血球を含み、体の細胞に栄養分や酸素を与え、二酸化炭素等を運び去る。

リンパ液:毛細血管から浸出した一般にアルカリ性の黄色の漿液性の液体。血漿成分からなる。

間質液:多細胞生物の組織において細胞を浸す液体であり、細胞外液のうち血液とリンパ液を除く体液である。組織液・細胞間液・細胞間リンパ液とも呼ばれる。
リンパ管内の体液のみをリンパ液と言う場合もあるが、間質液との明瞭な区別はなく、海外では間質液をリンパ液と呼ぶことが多い。
間質液は血管膜を通して膠質浸透圧と筋などの圧力の変動によって静脈に主に水分と血液ガスが再吸収され、タンパク質や老廃物、ウイルスやがん細胞などの異物など分子量の大きいものはリンパ管に吸収される。

wikipediaより

 

 

この“間質液の振動”が”経絡内を流れる“氣”の正体なのではないかと僕は考えています。

つまり、“氣”の巡りがよくなると言うのは、細胞組織間の“間質液”の流れがよくなるということで、“氣”が滞るというのは、“間質液”の巡りが滞るという解釈になります。

 

東洋医学では、“氣”にはさまざまな作用があります。

それは“氣”が1つの物質を指すのではなく、“間質液の振動”をさすことだとすれば説明が付きます。“間質液の振動数”が変われば作用が変わるからです。

今回の記事では“氣”の作用の解剖学的解釈について説明しませんが、
後々考えをまとめて記事を書いてみようと思っています。

 

“氣”が“間質液の振動”を指すのであれば、間質液の流れる道が“経絡”であると言えます。

山で雨が降れば、雨水がさまざまな道を辿って川に行き着き大きな流れを作るように体内でも体の隅々に流れる”間質液“がやがて大きな流れを作り川、つまり“経脈”を作ります。
この経脈は、人工的に作られたパイプとは違い、自然の川のように作られるため、血管のような管状の形を持っていません。
だから今まで解剖学的に見つからなかったと言えます。

血管のように管であれば簡単に見つかりますが、組織と組織の間の構造だと死んで間質液の流れが止まれば見つけることは難しいです。

リンパ管ですら亡くなった方の体で見つけることが難しく、献体の解剖でもまず見つからないと言われています。
(実際は根気よく探せば見つかります。僕は運良く見つけることが出来まして、リンパ管は半透明で管状の構造をしていました。)

経脈を見つける方法として、間質液のみを発光させ流れを見つけるか、ある程度の量の色がついた点滴を血管ではなく組織間に流し、どういった流れをするのかを観察することで、体内に川をみつけるように経脈を発見することが出来るのではないかと思います。
まあ、人体実験になってしまう為、実際に実行することは難しいかと思いますが。

 

また、特定の物質の振動数を細かく測る機械を作ることが出来るようになれば、“氣”を機械で測定出来るようになると思います。

間中式で有名な間中嬉雄先生は、各経脈は独自の振動数を持っていると研究で発表しています。詳しく知りたい方は、間中嬉雄先生の研究を詳しく調べてみると良いかと思います。僕もそのうちしっかり調べるつもりなので、そのうち記事でまとめるかもしれません。

もし、各経絡の振動数を簡単に測れるようになればそれを治療機器と組み合わせて必要な治療を患者個人の状態に合わせて出来るようになるかと思います。
そうすれば鍼灸師が患者さんにやっている治療と同じことを機械が出来る日がくるかもしれません。
(僕の目標はその治療マシーンを作ることだったりします)

 

おわりに

まだまだ解明されていないことが多い東洋医学ですが、
今後、技術力が急速に向上していく中でおそらくいろいろなことが解明されていくことでしょう。

その中には鍼灸師にとって受け入れ難い内容もあるかもしれませんが、
古典にしがみ付かず、事実を受け入れ、伝統と最新研究の統合を進め、鍼灸業界の発展のために研究結果を上手く使って行くのが良いと思います。

今回の記事で書いたことは、僕が考えていることのほんの一握り、表層部分でしかありませんが、ここからインスピレーションを受けて“氣”や“経絡”の証明の為の研究が増えて行ったらいいなと思います。

今後も“氣”について、“経絡”についての自分の考えを記事にして書いていきますので、どうぞお楽しみに!

研究に割ける時間はまだあまり無いけど、アイデアはたくさんありますので、共同で研究してくれる機関や大学だったり、アイデアを聞きたいという研究者の方がいらっしゃいましたら是非ご連絡ください。

MITS

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